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RF、ミリ波、THz

マイクロ波とミリ波の帯域表現はどちらが広帯域か? 

マイクロ波帯は明確な定義はなく、辞典、書籍、文献等の表現に幅がある。

マイクロ波帯の波長を

1mから10cm、(周波数300MHzから3GHz)とする場合、

10cm から1mm、(周波数3GHzから300GHz)とする場合、

1mmから100μm、(周波数300GHzから3000GHz)とする場合

など、様々な領域幅がある。ミリ波帯は、波長10mmから1mm、周波数30GHzから300GHzとする表現が多いようだ。

総務省の電波利用HPでは、

マイクロ波(SHF)は波長10mmから1mm、(周波数3GHzから30GHz)、

ミリ波帯(EHF)は、波長1mmから10mm、(周波数30GHzから300GHz)

サブミリ波帯は波長1mmから0.1mm(周波数300GHzから3THz)

と表現し、ミリ波はマイクロ波より高い周波数帯と表現している。この分類でいえばマイクロ波は、センチ波と表現すればすっきりする。

通信分野では、1mから10mm、(周波数300MHzから30GHz)と表現し、これより短い波長をミリ波帯と呼ぶことが多い。 例えば、20GHz準ミリ波通信システムは準を付け、筆者が開発に関わった40GHzミリ波通信システムの如く30GHz以上を境にミリ波帯としていた。 マイクロ波の方がミリ波を包含しているように思えるが明確でない。

筆者がマイクロ波、ミリ波の仕事に就いたとき、波長から言えば、μmのマイクロ波の方が1000倍高周波数帯と思い、ミリ波帯より低い周波数帯でもマイクロ波と表現することに違和感があったことを覚えている。

オシロスコープ 分析ツール 発表 (Pico Technology)

複雑な機器の特性と性能の検証に役立つ波形分析&検索機能

2017年8月1日 - PCオシロスコープとデータロガーの分野で業界をリードするPico Technologyは本日、分析ツールDeepMeasureを発表しました。PicoScope 3000、4000、5000、および6000シリーズのオシロスコープに標準装備されるDeepMeasureは、最大連続100万サイクルの連続波形サイクルで波形パラメーターの自動測定を実現します。測定結果は、波形ディスプレイを使用して簡単に並べ替え、分析し、相互に関連付けることができます。

電子機器が複雑化しているため、設計エンジニアリングチームは波形データと測定の統計を記録、分析、視覚化するためこれまで以上に優れたツールを求めています。ほぼすべてのデジタルオシロスコープに周波数や期間、上昇/下降時間、デューティサイクル、最高/最低電圧など一般的なパラメーターを自動測定する機能が装備されていますが、大抵の場合、測定範囲はオシロスコープのメモリに取得された1回の波形サイクルに限られています。一緒に取得した後続の波形サイクルは画面に表示されますが、測定結果には含まれません。測定の統計(最高/最低/平均/合計)は複数の取得からの情報を集めて出されるべきです。また、範囲が限られていることで、異常なビットパターンが簡単に見逃され、無視されてしまいます。

PicoScope 3000シリーズ(512 MSamples)や6000 Series(2 GSamples) など大容量の取得メモリが装備されたオシロスコープは、トリガされた各取得においてフルサンプリング速度で何千サイクルもの波形サイクルの波形を取得できます。DeepMeasureにより、メモリに取得されたすべての波形サイクルを含む結果の表が生成されます。ツールの最初のバージョンには、10種類の波形パラメーターが含まれており、百万以上の各パラメーターの結果を収集できます。

取得した結果の表は、パラメーターごとに昇順/降順に並べ変えることができるため、エンジニアリングチームは異常を見つけ、複雑な問題の原因を速やかに特定できます。例えば、Rise Time(上昇回数)と見出しが付いた列をクリックすると、100万の波形サイクルの中から一番速い(もしくは一番遅い)上昇時間を簡単に確認することができます。特定の測定結果をダブルクリックすると、オシロスコープのビューで該当するサイクルがハイライト表示されます。

ヒストグラムや高度なデータの視覚化など、より広範な分析を行う場合は測定結果の表をエクスポートしてExcelやMATLABなどのツールを使用して利用できます。

「実際の試験データの視覚化は、今存在するエンジニアリングに関連する課題の多くを解決する鍵となります」とPico Technologyの試験&測定部門、事業開発マネージャー、トレバー・スミス は話します。「DeepMeasure は、PicoScopeの大容量メモリが装備されたオシロスコープのメ リットを活用する強力なツールで、シリアルデータ列からレーザーのパルスや素粒子物理学の実験まで、複雑な波形のスピーディーな分析とデバッグ(異常の原因特定・解決)を可能にします。異常を簡単に特定し、オシロスコープで取得された他の事象と相互に関連付けることができます」

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技術コラム開始

技術コラム開設にあたり...

本コラムでは、筆者が1962年から45年間のマイクロ波、ミリ波無線に関わった経験に基づく回想や、その中で今でも参考になると思われるトピックなどを順次解説してゆく。この間、教科書、専門書にはない多くの貴重な経験をした。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」の格言の如く、以来、設計、開発に生かすことができた。

 携わった無線システムの周波数は、2GHz,23GHz,26GHz,40GHz,50GHz,60GHz,76GHzである。担当した主なマイクロ波、ミリ波回路は、水晶発振、増幅、逓倍、分周、アップコンバータ、円偏波発生器、パラボラアンテナ、可変減衰、ミキサ、FM変調復調、誘電体共振装荷発振逓倍、局発AFC、偏波切替回路、FMCWレーダー送受信の各回路である。

ミリ波の歴史

・我が国のミリ波帯開発

エポック1 (ミリ波大容量導波管伝送方式の開発)

1960年頃までミリ波低損失円形導波管伝送路、受動回路等の研究が、米国、日本で行われた。能動回路は主にクライストロンなどの真空管デバイスであった。1956年から1970年頃までW-40G-ミリ波大容量導波管伝送方式(43~87GHz、,21Gbit/s電話換算30万CH)の開発が盛んになった。能動回路も半導体デバイスで1975年ごろまでに商用化の開発が行われ、多くの技術者、多大な研究開発費が投入された。同時に、ミリ波帯測定技術、測定器も開発され、システム実現に貢献した。しかし、有線大容量伝送方式は、1970年代光ファイバーの出現でミリ波導波管伝送方式から光ファイバー方式に大転換された。筆者は、W-40GのVバンドアップコンバータの開発を主に担当していた。AMC_millitech.png

(Millitech社逓倍器)

エポック2 (ミリ波自動車レーダー実用、ミリ波MMIC、量産、測定、設計手法確立)

 ミリ波導波管伝送方式装置を開発した企業の残した捨てがたいミリ波技術遺産は、開発投資を大幅に縮減するもミリ波簡易無線、ミリ波自動車レーダーなどの開発に引き継がれる。1972年頃から基礎的な車載レーダーの開発が開始された。試作車載レーダーの周波数は、当時割り当てバンドがなく、50GHz帯の実験局周波数であった。ミリ波デバイスは、発振素子(ガン、インパット)、変調素子(バラクタ)、受信素子(ショットキーバリア)はすべて二端子素子のダイオードであり、導波管立体回路であった。二端子素子の欠点は、回路構成上、入出力が共通であり、増幅器には入出力波を分離する非可逆回路が必須であることである。

車載レーダーの実用化には低コスト化が絶対条件であり、そのためミリ波デバイスは、入出力分離の三端子素子のトランジスター化へ開発が進んだ。ミリ波帯で動作可能な高電子移動度トランジスター(HEMT)が発明され、そのMMICを搭載したレーダー、通信装置への実用化がなされた。さらなる低コスト化へ半導体基板が、GaAs、SiGe、Si と多種になり、量産化に適した無パッケージ、無配線、三次元集積などの技術が進展し、低コスト、大量生産が可能になった。この影に、高度なデバイスの回路設計に高精度測定技術と設計技術の開発は不可欠であった。例えば、1970年代では損失周波数特性、インピーダンス測定にミリ波掃引発振器(後進波管)と方向性結合器、検波器、表示管を組み合わせたスカラーネットワークアナライザがあった。ベクトル測定には旧態と変わらない定在波計で周波数毎に校正しながら行い、スミスチャートを併用した。今では短時間で高精度かつ広帯域にわたり4端子定数(Sパラメータ)の測定ができる。設計も試作評価から計算機シミュレーションにより高精度、短時間で可能となった。今日までミリ波レーダー等の電波割り当ては、60GHz帯、76GHz帯、79GHz帯へと拡大され、ミリ波システムの利用拡大は目覚ましい。

 筆者は、50 GHzレーダー、76GHzレーダー、ミリ波MMIC開発に関わった。ESR_radar.png

(Delphi社76.5 GHzレーダ)

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