PRODUCT製品情報

RF、ミリ波、THz

シリーズ:マイクロ波回路設計開発の軌跡 ~その15. マイクロ波で酒がうまくなる?

☆マイクロ波の応用に思う

 我が国にマイクロ波の電子レンジ用マグネトロンが開発された昭和36年頃、無線雑誌に安いウイスキーを高級ウイスキーにできないかとの実験記事があったことを記憶している。 ウイスキーは長時間かけて樽に寝かし、水分子、アルコール分子などの結合をゆっくり変えていく熟成を電磁波で揺さぶり早める考えらしい。そんな短時間に熟成が進むと思えないが、雑誌の挿絵には螺旋ガラス管にウイスキーを循環させ、ガラス管に電磁波を当てる構成があったようだが周波数、出力などは忘却した。

ただ、電磁波で熱くするだけなら今の電子レンジで出来るが、照射電力、時間、照射変化、周波数など調査研究し、美味いウイスキーがうまくなる条件が見つかれば面白い。

・最近のマイクロウエーブ展で、植物の生育と電磁波の影響を研究する発表を興味深く聞いた。ある条件で電磁波を浴びた試料の方がそうでないものより成長するという。以前にも害虫に強く、低農薬栽培に効果あるとの記事を読んだ記憶がある。雑草だけ生育阻害できる電波照射条件が明らかになるなど、農産物増産に寄与できればと期待している。

 一方、電磁波の人体への悪影響があるのではないかと長年叫ばれている。最近ではデンマークの中学生が行った実験で無線LANルータの近くに置いた植物種は発芽阻害があったとのニュースがあった。 現在では電波機器の安全基準がある。筆者は昔、数W程度のマイクロ波回路の実験中に時々指の局所を火傷し、電波の影響を意識したことがあった。金網を体に付ける研究仲間もいた。電磁波被ばく安全基準は、国によっても異なる。影響を調べるための周波数、電力、距離、形状、照射時間、検証部位など要素が極めて多く、因果関係を特定することに困難がある。大量普及のスマホなどの移動端末は長時間人体の至近距離にあり、電波機器の人体への影響研究は今後も続けるべきと思う。

極低温LNAを得意とするCosmic Microwave Technologyの取り扱いを開始致しました。

【Cosmic Microwave Technology】

データシート

CIT118.pdf

CIT416.pdf

CITLF4.pdf

CITCRYO1-12D.pdf

CITCRYO4-12A.pdf

低ロスアイソレータ・サーキュレータのMicro Harmonicsの取り扱いを開始致しました。

【Micro Harmonics】

カタログ

Micro Harmonics Catalog.pdf

Marki Microwaveよりミキサの新着情報が入りました。

【ミキサ】

高性能チューナミキサ

mm1-1467l.pdf

mm1-1467h.pdf

Virginia DiodesよりAMC-Iの新着情報が入りました。

【AMC-I】

最新のスペック表

VDI iAMC Specifications.pdf

シリーズ:マイクロ波回路設計開発の軌跡 ~その14. 半導体デバイスと真空管デバイスの実用化はどちらが早かったか

デバイスの定義で答えが異なる。電磁波用デバイス機能の内、重要な増幅作用のデバイスでは真空管デバイスが先である。真空管は熱電子を扱うためヒーター電源が必要なこと、他に高電圧の複数電源が必要で電源回路がネックとなり、短寿命、大型、高コストで半導体デバイスの実用化が求められていた。

筆者が企業に入社(1962年)して開発に携わったマイクロ波無線回路は、ちょうど真空管デバイスから全固体(半導体デバイス)化への転換期で、真空管をシリコントランジスターとダイオードに置き換えるものであった。

真空管とトランジスターは情報通信文明における歴史的デバイスである。真空管とトランジスターの最大の違いは、真空管は真空中の電子流の制御。トランジスターは、固体中の電子流、正孔流の制御であろう。真空管は、金属を熱すると金属から電子が飛び出すエジソン効果の発見から始まった。エジソンは電球の研究中に、フィラメントと金属板の電極をガラス管内に封入し、金属板を正極にしたときのみ真空中でも電流が流れ、フィラメントから電子が放出していることを発見した。これをダイオードと呼んだ。これをさらに応用することをしなかったのは惜しいことだ。これは、交流波を整流、検波できる2極管そのものです。電球の研究から偶然発見したことが飛躍的な無線通信の実用化となった。学生時代真空管ラジオを自作し、壊した真空管の構造が教科書の図の通りでであったことを記憶している。ヒーター、カソード、グリッド、プレートが目に見えるのが興味深かかった。一方、トランジスターは小さなケースに数ミリ角の半導体チップがあり、肉眼では分からなかった。真空管の電極間隔が肉眼で見えることは、電子の走行時間が長いことであり、高い周波数では入出力の応答遅延があることです。そこで、より微細構造で高周波を目指した電子管が板極管である。1GHz程度まで使用できる。そこで、科学者は電子走行時間の遅延を工夫し、より高周波で大出力を可能にした真空管を開発した。真空管は高電圧、大電流に耐える特徴がある。何せプレート金属が赤くなるほどでも壊れません。そこで科学者は、電子流と共振器の結合や電子流と磁気の作用を利用し、ミリ波領域まで大出力、発振、増幅できる特殊電子管を次々と発明、実用化した。クライストロン、マグネトロン、進行波管などで、現在でもマイクロ波大出力装置には電子管の独壇場である。しかし、短寿命が最大の欠点である。連続通電の無線通信には寿命が短い電子管(一般的には5000時間前後)は、高い維持費で衰退した。初期の無線局舎は技術者、保守員が常駐していた。電子管の定期交換、調整が必須だった。真空管は、真空度を維持するため、内部にゲッター(バリューム等)を蒸着させ、残留ガス分子を吸着させる。ガスの吸着能力が真空管の寿命を決定づける。真空管ガラスの内面に蒸着している銀色の膜がゲッターだ。 

 1947年に半導体のトランジスターが発明され、電子移動度が固体のため遅いが移動距離が極めて短くできるため高周波に向いている。固体中の電子(正孔)の制御であるため、真空管にない小型、軽量、長寿命、低電圧動作の特徴があり電子回路の主役になった。ただ、分子、原子、量子レベルの半導体物理解析、半導体結晶の高純度、不純物注入、超微細加工、金属膜蒸着、酸化膜加工など多種多様な高精度設計技術、微細製造技術、高精度測定技術が不可欠であり、課題山積で真空管に比べ発展が遅れた。また、半導体デバイスは、不純物の異なる半導体同士、半導体と金属が接触する一体化の産物なので真空管に比べ多岐にわたる課題があり、それを克服し実用化された。ネットには半導体物理分野の課題としてショットキ―障壁(金属と半導体界面の電子エネルギ―の崖)問題があり、半世紀にわたる研究が続けられていると報じられている。

SAGE Millimeterより増幅器などの新着情報が入りました。

【増幅器】

E-Band, パワーアンプ, 55 - 90 GHz

SBP-5539032516-1212-E1.pdf

E-Band, パワーアンプ, 78 - 87 GHz

SBP-7838733025-1212-E1.pdf

【アンテナ】

WR-12, スカラーフィードホーンアンテナ

SAF-6039031340-141-S1-122-DP.pdf

【導波管】

E-Band, ロータリージョイント導波管

SAN-60390310-125I125I-S1.pdf

シリーズ:マイクロ波回路設計開発の軌跡 ~その13. マイクロ波、ミリ波帯二端子半導体素子

筆者が長年(19621985年)マイクロ波、ミリ波回路の開発に多く用いた半導体デバイスは、可変容量ダイオード(バラクタダイオード)、ガンダイオード、ショトキーダイオードである。

バラクタダイオード:端子間電圧でPN接合容量が非線形に変化する。FM変調、逓倍、低雑音増幅(パラメトリックアンプ)に用いられるが、筆者は、大出力逓倍器、FM変調器に使用した。

ガンダイオード:1963年にガン氏によるガン効果の発見で実用的発振出力が得られるようになった。ガンダイードはNGaAsInPのバルクに電極を付ける比較的簡単な構成で製造容易な特徴がある。直流の印可電圧を上げていくとある電圧から電流が電圧に比例しない負性特性領域が生じ、マイクロ波の発振、増幅が可能になる。筆者は、50GHz帯発振器に使用した。

エサキダイオード:初めてマイクロ波の増幅、発振が可能な能動半導体ダイオードは、1957年に発明された江崎ダイオードである。低雑音受信増幅器用に実用化されたが、発振器の電力は小さく実用的でなかった。

インパットダイオード:1958年にリード氏による原理提案があり、1965年に動作確認された。ガンダイオードと異なり、PN構造を有する。ミリ波帯で1W以上の高出力の得られる発振、増幅用ダイオードである。なだれ電流を利用するため、雑音が大きく、負性抵抗周波数範囲が比較的狭い。W-40G方式の送信回路に多用された。

 

Pico Technologyよりリアルタイム・サンプリング・オシロスコープの新着情報が入りました。

【リアルタイム・サンプリング・オシロスコープ】

PicoScope 9400 Series

型番:9405-5

picoscope-9400-series-sxrto-data-sheet.pdf

PicoScope 9404 SXRTO press release Final EN-jpn.docx

Marki Microwaveより逓倍器の新着情報が入りました。

【逓倍器】

2逓倍器

ADA-2052.pdf

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