RF、ミリ波、THz
シリーズ:特殊高周波回路の思い出 ~その2. 超再生受信機
再生受信回路は、真空管、トランジスター、電池が高価な時代、少数の増幅素子数個でスーパーヘテロダイン受信機並みの高感度を得る面白い回路である。超再生受信機の歴史は古く、軍用携帯真空管無線機の消費電力低減と電池、部材軽量化で開発された。我が国の放送ラジオ受信機の時代では、低コスト化の超再生に似た真空管再生受信機が実用していた。要は信号を負帰還でなく、正帰還させて利得をあげる特殊な回路である。筆者が子供のころの我が家にあった再生AMラジオ受信器は、感度を上げるためバリコンで帰還量を調整し、発振の手前で止めて放送を聞いていたことを覚えている。庶民が安価な放送ラジオ受信器を求める時代に実用した。ただスーパーヘテロダイン受信機に比べ欠点が多くやがて衰退した。超再生は、可聴周波数以上の低周波で発振させ、高周波正帰還再生増幅検波回路を発振状態と非発振状態にスイッチングするクエンチング (quenching) 動作させる回路。
筆者は学生時代にトランジスター2石で、携帯超再生放送ラジオ受信機を試作し、通学の電車内で放送波を聞き、高感度であることを体験した。しかし調整が微妙でかつ雑音が大きく実用的で無かったことを覚えている。 現在は、アマチュア無線家の試作や、超廉価の400MHz帯のRFを高感度に受信するMMICを搭載した特殊受信モジュール発売されている。
シリーズ:特殊高周波回路の思い出 ~その1. 注入同期ミリ波増幅器
発振器に信号を注入し、同期させ、注入電力より大なる出力を得る増幅器。 大出力高周波のトランジスター増幅が無い時代、ガン、インパットの2端子デバイスで大出力を実現する回路。ただ、帯域が狭く、入出力の線形性はない。信号は周波数変調信号か、位相変調に限る。筆者は、50GHzのガン発振器で実験したが、電源立ち上げ時に同期外れが生じやすく、上手くいかず製品化できなかった。
Marki Microwaveよりイコライザーの新着情報が入りました。
SAGE MillimeterよりVNAテストケーブルなどの新着情報が入りました。
【VNAテストケーブル】
DC - 67 GHz
1.85 mm NMD メス 、 1.85 mm メス or NMD オス コネクタ
STQ-CW-VFVM025-F1.pdf 、 STQ-CW-VFVF025-F1.pdf
DC - 50 GHz
2.4 mm NMD メス 、 2.4 mm メス or NMD オス コネクタ
STQ-CW-2F2M025-F1.pdf 、 STQ-CW-2F2F025-F1.pdf
DC to 40 GHz
2.92 mm NMD メス 、 2.92 mm メス or NMD オス コネクタ
STQ-CW-KFKM025-F1.pdf 、 STQ-CW-KFKF025-F1.pdf
DC to 26.5 GHz
3.5 mm NMD メス 、 3.5 mm メス or NMD オス コネクタ
STQ-CW-3F3M025-F1.pdf 、 STQ-CW-3F3F025-F1.pdf
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【ユニ-ガイド】
https://www.sagemillimeter.com/uni-guide-information-and-features/
SAGE Millimeterより新製品の新着情報が入りました。
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【U Band Quadrature Mixer】
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【U バンド バランスド ミキサ with WR-19 Uni-Guide™】
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【E バンド オムニディレクショナル アンテナ】
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【E バンド X3 周波数 エクステンダー】
コーヒーブレイク ちょっとひといき
☆多重無線装置のマイクロ波高出力固体化局発部開発における苦労話
・2GHz局発は、当時の最先端半導体デバイスを用いて構成されていた。45MHzのオーバートーン水晶発振器が源信で3逓倍後135MHz帯を高出力トランジスター増幅器により10Wまで出力し、バラクタダイオードの4逓倍回路2段から構成されていた。高出力増幅器は当時の最新鋭トランジスターが使用されたが、負荷の逓倍器は、非線形容量のバラクタ、共振回路からなりリアクタンスの塊で、調整時に不整合反射(前述)が起こり高価なトランジスターがよく破損した。逓倍回路の改良、高耐力トランジスター、1GHz以下のアイソレーターの採用で安定な局発に改良された。
・FM多重無線方式は、FM雑音規格が厳しく、局発にも低雑音が要求された。局発のFM雑音(位相雑音)は、主に逓倍次数、源信の発振器に依存する。水晶発振器で雑音は、水晶共振子の極めて高いQ(10000前後、周波数選択性)、半導体デバイス、正帰還回路、電源回路から発生する。一方、逓倍次数が高いほど増加するので源信周波数を上げたいがオーバートーン高次数での水晶共振子のQ低下、電極の寄生容量による異常発振が問題となる。当時、専用のFM雑音の測定器がなく、多重中継器のベースバンド帯に変換し、高感度レベル計で間接的に評価していた。雑音が低下する正帰還量などを決め、回路設計し製品化できた。
SAGE Millimeterより同軸ケーブルなどの新着情報が入りました。 read more
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【同軸ケーブル】
1.35 mm (オス) - 1.35 mm (オス) フレキシブル, 12"
1.35 mm (オス) - 1.35 mm (オス) フレキシブル, 6", 位相調整
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【導波管同軸アダプタ】
E-Band 導波管 - 1.35 mm コネクタアダプタ、エンドランチ
V-Band 導波管 - 1.35 mm コネクタアダプタ、エンドランチ
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【同軸アダプタ】
1.35 mm (メス) - 1 mm (メス)
1.35 mm (メス) - 1.35 mm (オス)
BroadWaveよりDC BLOCKの新着情報が入りました。
【DC BLOCK】
75 OHM DC BLOCK
https://www.broadwavetechnologies.com/featured-products/75-%cf%89-dc-block/
SAGE Millimeterより受信機などの新着情報が入りました。
【受信機】
W-Band, 90 - 96 GHz, 4 dB NF, 30 dB ゲイン
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【送信機】
W-Band, 90 - 96 GHz, 30 dB ゲイン, +20 dBm P-1dB
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【逓倍器】
U-Band X2, 入力:+20 dBm
U-Band X3, 入力:+20 dBm
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【アイソレータ】
G-Band
WR-34
シリーズ:マイクロ波回路設計開発の軌跡 ~その16. 惑星探査衛星のマイクロ波通信
はやぶさ2の活躍が話題になっている。小惑星りゅうぐうと地球間距離は約3億kmといわれるが、受ける電波強度は超微弱だ。筆者が経験した地上ミリ波通信の回線設計から考えると想像を超えた驚異の通信だ。通信技術と雑音との戦いだ。通信を可能にする技術要素は、宇宙雑音の低い電波の窓の周波数利用(Sバンド、Xバンド)、高利得大口径高効率低雑音地上アンテナ、大電力送信機、極低雑音受信機、最適コマンド、テレメートリ情報伝達方式、ビット誤り訂正技術、狭帯域受信、地上局アンテナ設置環境、衛星の位置制御技術、高確度原子基準発振器 等である。筆者は、デジタル移動通信の導入における地上局と移動通信間の干渉雑音を調査する仕事に従事したことがあり、長野県臼田宇宙空間観測所、鹿児島県内之浦宇宙空間観測所を視察した経験がある。そこには直径64m、34mの強大パラボラアンテナ、20kW送信クライストロン、ガス・ヘリウム冷却極低雑音増幅器があり、地球局、惑星探査衛星間通信を可能にしているマイクロ波技術があった。